社会保険とは
病気死亡などの不測の事故や老後の生活に備えて、働く人たちが収入に応じて保険料を出し合い、これに事業主も負担して、いざというときに医療や介護、年金・一時金の給付を行い、生活の安定を図るという目的でつくられた社会的制度です。
生命保険、火災保険、損害保険など、民間の会社が主催する#私的保険と、健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険など国が主催する#公的保険とに区別されます。公的保険のことを広い意味で社会保険ともいいます。
私的保険と公的保険の仕組み
社会保険の種類
(13種類の公的保険)
種類・名称 | 管轄 | ||||
社会保険 | 医療保険 | 健康保険 (職域保険) |
組合健康保険 | 各健康保険組合 | 厚 生 労 働 省 |
政府管掌健康保険 | 社会保険庁 | ||||
船員保険 | 社会保険庁 | ||||
共済組合 | 社会保険庁 | ||||
国民健康保険 | 国民健康保険 | 各市区町村 | |||
退職者医療制度 | 各市区町村 | ||||
前期高齢者医療制度 | 各市区町村 | ||||
後期高齢者医療制度 | 各都道府県 | ||||
年金制度 | 厚生年金保険 | 社会保険庁 | |||
国民年金 | 社会保険庁 | ||||
介護保険 | 各市区町村 | ||||
労働保険 | 労災保険(労働者災害補償保険) | 労働基準局 | |||
雇用保険 | 職業安定所 |
※ 平成20年4月現在の内容です。
規定変更などにより内容が変更となる場合があります。
加入について
(健康保険・厚生年金保険)
Q | 就職すると健康保険・厚生年金保険に加入しますが、今まで加入していた保険・年金での手続きは必要ですか? |
A | (年金) 従業員として働き始める前に国民年金・厚生年金保険に加入していた場合、自動的に手続が行われるため直接手続を行う必要はありません。 (保険) 従業員として働き始める前に国民健康保険・共済組合や船員保険等に加入していた場合、資格喪失の手続をきちんとしておくことが必要です。 |
Q | 社会保険に加入するメリットは? |
A | (保険料) 給与から天引きされる保険料と同額を事業主が負担します。 (被扶養者) 国民健康保険には被扶養者制度がありませので、世帯一人ずつ被保険者としての保険料負担が必要です。社会保険は被扶養者が何人いても、給与に応じた保険料となります。また被扶養者(扶養されている配偶者)がいる場合は国民年金保険料の支払が不要となります。 |
Q | 健康保険の被扶養者(従業員が家族を扶養するとき)に、どのような条件を満たせばいいの? |
A | 健康保険から保険給付を受けられる、一定の範囲の家族等を「被扶養者」といいます。被扶養者になるためには、届け出て保険者に認めてもらうことが必要です。主として被保険者の収入で生計を維持し、被扶養者の収入によって認定します。被扶養者の範囲は次のとおりです。 |
[被扶養者の範囲]とは
被扶養者になれるのは、主として被保険者の収入で生計を維持している75歳未満(後期高齢者医療の被保険者とならない)の人で、次のように分けて条件をみます。
同居・別居いずれでもよい人 | 同居していることが条件の人 |
・配偶者(事実婚を含む) ・子、孫および弟妹 ・直系尊属(父母、祖父母等) |
・被保険者の3親等内の親族 (おじ、おば、おい、めい、ひ孫等) ・配偶者の父母及び子(事実婚を含む) |
「生計を維持している」とは
被保険者の収入によって、生活費の半分以上をまかなっている状態をいいます。よって被扶養者に収入がある場合は、次の条件をもとに判断することになります。
Q | 保険料額はいくらになるのでしょうか?また、どのように納めるのでしょうか? |
A | (保険料額) 健康保険と厚生年金保険の保険料は、被保険者の標準報酬月額に保険料率をかけて算出した金額を被保険者と事業主が半分ずつ負担し、事業主が事業所を管轄する社会保険事務所に納付します。(40歳以上65歳未満の被保険者は、健康保険の保険料に介護保険料を上乗せした保険料を納付します。) |
<健康保険・厚生年金保険>標準報酬月額・保険料月額表
※ 平成20年10月1日現在の内容です。
規定変更などにより内容が変更となる場合があります
<健康保険・厚生年金保険>保険料徴収の仕組み
加入について
Q | 労災保険にはどのような人が加入するのですか? |
A | 労災保険(正式名称「労働者災害補償保険」)は、正職員はもちろん、パートタイマーやアルバイトなど、その事業所で働くすべての人が対象となります。労災保険には他の保険のように被保険者という概念はなく、事業主が保険加入の手続をしていれば、労働者全員が保険給付の対象となります。 |
Q | 雇用保険にはどのような人が加入するのですか? |
A | 正職員で雇用された場合、加入は義務づけられています。(65歳以上は除く) パートやアルバイトで雇用された場合、(1)週の労働時間が20時間以上あること (2)1年以上雇用されることが見込まれることの2つが加入要件になります。 |
Q | 雇用保険に加入するメリットは? |
A | (1)保険料が安いわりに給付が手厚い (賃金10万円の本人負担保険料は600円/会社負担保険料900円) (2)条件を満たせば失業した場合、失業給付金を受給することができ、さらに職業訓練校に通所できる (3)条件を満たせば育児休業・介護休業・教育訓練給付金などが受給できる |
加入手続完了後について
Q | 健康保険被保険者証(健康保険証)や雇用保険被保険者証の発行には、どれくらいの期間をようするのでしょうか? |
A | (健康保険・厚生年金保険) 資格取得届を提出しますと、社会保険事務所から健康保険被保険者証および年金手帳が2・3週間後に、郵送されてきます。(4月は時間が掛かります)受け取りましたら、氏名・生年月日・資格取得日等の記載事項の確認をしましょう。 (労災保険・雇用保険) 資格取得届を提出しますと、公共職業安定所の窓口で雇用保険被保険者証を渡されます。従業員が退職したときや結婚などの事由により氏名が変更したとき、届出用紙として使用しますので、法人が大切に保管しています。 |